帰り道は誘惑との戦い

台本「昼休みは限られている」に出ている女の子キャラ4人組。
前作知らなくても問題ありません。


配役(「昼休みは限られている」から引用)
小林(♀):明るい性格。でも周囲からは寝るか食うかの小林という認識をされている。
高橋(♀):見た目が綺麗だけど一見冷たく見えるので敬遠されがち。中身は見た目に反し残念感漂う。
加藤(♀):別名:歩くスピーカー。加藤に知られたら全校生徒に知られるようなもの。しかし本人は自覚なし悪気なし。
千野(♀):おっとりマイペースでどこかずれてる。の割りにたまに毒舌。
コンビニ店員(♂):台詞少ないモブ。



(放課後)

千野「あつーい」
加藤「夏だからね!」
千野「そんなこと知ってるよーあーつーいー」
高橋「千野はホント、夏苦手だよね」
千野「冬のがマシ…夏は虫いるし日焼けするし暑いし!」
加藤「虫は嫌だけどさ、夏の方が楽しくない?日は長いし、お祭りとかイベント多いし!」
千野「私は加藤ちゃんみたいに年中元気じゃないの」
小林「お祭りかー!屋台ってなんであんなにおいしく感じるんだろうね」
高橋「お祭り補正じゃない?」
小林「今年は何食べよっかなぁ」
千野「相変わらずの食欲だね…私は夏バテ気味だから分けて欲しいよ…」
高橋「小林は夏バテとは無縁だからね。でもまぁ、私も夏の方がいいかなぁ、寒いの苦手だし」
千野「寒ければ服着たりカイロ貼ったりすればいいでしょ?暑いのはどうにもならないじゃない」
小林「えー、でも冬にいくら着込んでも寒いのは寒いじゃん?あんま変わらなくない?」
加藤「そんなことより、帰りにアイス食べて帰ろうよー!」
小林「いいね!!アイス屋!何味にしよっかなー」
千野「加藤ちゃんがいつも通りうるさいだけで暑さが増す気がするのに、小林ちゃんも合わさって2倍暑い…」
高橋「千野も暑さのせいでキャラが壊れ気味だけど」
小林「あ!でもあたしお小遣い前であんまお金ないんだ…」
加藤「じゃあコンビニ寄ろう!ついでに涼もう!」
小林「仕方ない、安いので我慢するかー…」
加藤「よーしそれじゃあレッツゴー!」
小林「おー!」
千野「えぇーもう行くの?」
高橋「もうって…授業終わって30分くらい経ったけど。主に掃除を真面目にしない誰かさんたちのせいで」
小林「誰のことかさっぱりー」(とぼける)
加藤「小林のことでしょ!いっつもサボるんだから!」
小林「いや加藤でしょ!箒振り回すなんて今時小学生でもやらないよ!」
加藤「えー!だってやりたくなるじゃん!!」
千野「ならない。ていうか暑いのに動き回って教室内の温度あげないでよ」
高橋「つまり、2人のせいでこの時間まで待ってるハメになったんだけど?」
小林・加藤「すみませーん」
千野「誠意の欠片さえ感じられない。いっそ清々しい。あーもうこのまま空気も清々しくならないかなー」
高橋「まだ大分日高いね」
千野「そう!そうなの!だからまだ外に出たくないのー」(ぐでっと)
加藤「アイス食べたらちょっと涼しくなるよ!」
小林「そうだ、アイスだ!買いに行こう!」
千野「えー…」
高橋「じゃあ千野は行かない?」
千野「やだ、行く」
高橋「はい、じゃあ立って!鞄持って!」
千野「高橋ちゃん、お母さんみたい…」
高橋「え」(嫌がる感じの)
加藤「おかあさーんっ」
高橋「その呼び方はやめなさい!」
加藤「その言い方がすでにお母さん」
高橋「ぐっ」
小林「高橋は昔からお母さんみたいだったよ。むしろあたしのお母さんだよ」
高橋「こんな出来の悪い娘いらないよ!」
小林「えっひどい!」
千野「そうね、私も小林ちゃんが娘なのは嫌」
小林「暑さのせいで千野がいつもより辛辣!早くコンビニ行こう!」
加藤「おっけー!ほら千野、きびきび歩けー!」
千野「わっちょっと、わかったから押さないでよー!」



千野「うわぁ日差しが…」
加藤「眩しい!」
小林「強い!」
高橋「ジリジリしてる…」
千野「早く夏終わんないかなー…」
小林「秋は秋で、いろいろおいしいものが!」
高橋「小林の秋って間違いなく『食欲の秋』だよね」
加藤「高橋は『スポーツの秋』?っても、年中やってるか!」
高橋「そうだね。楽しいし健康にもいいし」
小林「で、千野が『読書の秋』?」
千野「まぁ私も年中本読んでるけどね」
高橋「加藤は……加藤は…?」
小林「えっ…加藤…?」
千野「加藤ちゃんは…」
3人「……」
加藤「えっ 私は食欲の秋かな!まぁ小林ほどじゃないけど!」
小林「あ…うん。一緒だね」
高橋「そうだ、別に被っちゃいけない訳でもなかった」
千野「二番煎じだけど」
高橋「しーっ」
加藤「コンビニ見えた!」
小林「えっ走んの?!」(釣られて走る
千野「なんで炎天下なのに走るの…」
高橋「加藤と小林だから」
千野「納得…」
高橋「でも早くコンビニについて涼めるという利点があるかも?」
千野「えー……いや、でも走る労力と釣りあわない」
高橋「千野は根っからの文系だよね。体育嫌いだし」
千野「まぁね。でもバドミントンとかバスケは嫌いじゃないかな」
高橋「みんなでわいわいやるのは楽しいよね。陸上とかマットは」
千野「嫌い!あれやる意味あんの?って思うもん」
高橋「そいえばうちの学校ってプールないよね」
千野「なくてよかったよ、ホント。高校生にもなって授業でプールはナイ」

SE:コンビニ入店音

店員「らっしゃーせー」
加藤「おっそーい!ふたりとも!」
小林「もう選んじゃったよ!」
千野「はや」
小林「新作のお菓子見てこよーっと」
加藤「あ、これ安城くんからもらったやつだ!」
小林「どれどれ?」
加藤「これ!おいしかった!」
小林「マジか。買ってみよ」
加藤「あれ、お金ないんじゃなかったっけ?」
小林「うっ まぁないんだけど…このくらいなら、大丈夫!…な、はず…」
加藤「ちゃんとお金確認しておきなよー?レジのお兄さんに恥ずかしいとこ見せちゃう前に!」
小林「そ、そうだね!」
高橋「決まったよー」
加藤「おっじゃあ買っちゃいますか!」
千野「もう外でるのー…」
小林「だって早く食べたいじゃん」
加藤「うっし買ってこようーっと」
高橋「あれ小林、それも買うの?」
小林「うん、加藤がおいしかったて言うから気になって。新作だし」
千野「あ、それ私も食べた。おいしかったよ」
高橋「うん、おいしかったよね」
小林「ん?二人で食べたの?」
千野「ううん、安城くんがわけてくれた」
小林「え?!加藤もそう言ってたんだけど…」
高橋「あー…小林寝てたから、さ」
千野「それに小林ちゃんにわけてあげるなんて言おうものなら、全部食べられかねないし」
小林「そんなことしないよっ!」
加藤「私会計終わったよー!」
高橋「あ、うん。私先行くね」
千野「うん」
小林「安城くんめ…」
千野「まだ言ってんの…」
加藤「何々?安城くんが何かしたん?」
千野「いや、安城君がね、小林ちゃんが持ってるお菓子私たちにわけてくれたでしょ?それ、小林ちゃんだけもらってないからって拗ねてる」
小林「別に拗ねてないし!」
加藤「いや、でも小林にわけるとなくなっちゃうからしょうがなくない?」
小林「だからー!人の物なのにそんな遠慮ないことしないって!」
高橋「次誰ー?」
千野「私行くー」
小林「大体、なんでそんな風に思われてんの?」
加藤「食べ物への執着具合?」
高橋「経験」
小林「うっ…だって高橋はさ…古い付き合いだから…ね!」
高橋「ね!じゃない!」
小林「さ、最近は、そんなことないでしょ?」
高橋「食べ物の恨みは恐ろしいんだからね…?」
小林「怖い!怖いって!ごめんなさい!!」
千野「小林ちゃーん」
小林「はいっ!あ、じ、じゃああたし会計行くから!」(逃げるように)
高橋「逃げた…」

SE:バーコードピッてする音

店員「お会計426円になりまーす」
小林「よんひゃく…あっ!す、すみません、ちょっと待ってください!」
  「ね!ちょっと誰か!10円貸して!」
千野「10円?」
加藤「あー!やっぱ足りなかったんじゃん!確認しておけって言ったのにぃー」
小林「んなこといいから!10円!誰か!」
高橋「ったく…」
小林「さすが高橋!ありがと!」
  「すいません、これで」
店員「430円お預かりしまーす。4円のお返しでーす。ありがとうございまーす」
小林「あー恥ずかしかった!早く行こっ!」
加藤「小林はもっと落ち着きを持つべき!」
千野「その通りだけど、加藤ちゃんが言うと説得力に欠けるよね」
加藤「えっなんで?!」
店員「ありがとーございましたー」

SE:コンビニ退室音

小林「もうここのコンビニ来れない…」
千野「そんな大げさな。向こうだって気にしてないっていうか、覚えてないと思うよ」
高橋「まぁそんなこと言いながら、どうせ来週には忘れて寄るんでしょ」
加藤「アイスうまー!溶けるの早いけど!」
高橋「炎天下の中じゃあさすがにね…」
小林「あ、あそこちょうど影になってるから、あそこで食べようよ」
千野「ちょっとは涼しいしね」
加藤「そういえば、あの店員さん初めて見た気がする!」
千野「あ、そういえばそうかも」
高橋「そうだっけ?」
小林「良く覚えてるね」
加藤「えっだってあの人ちょっと格好よくなかった?」
千野「ふーん、加藤ちゃんああいう人がタイプなのかー」
高橋「顔は良かったんじゃない?」
小林「あたしそれどころじゃなくて覚えてない…」
加藤「いや、タイプとかじゃなくてね!一般的に?」
千野「じゃあ加藤ちゃんのタイプはどんな人?」
加藤「えっ!た、たいぷ…?」
高橋「この間、小林の好きな人のくだりあったけどさ、あれ以外って私ら恋バナとかしたことないよね」
小林「あの話しはいいよ、もう…」
千野「だって加藤ちゃんにバレたらお終いじゃん」
高橋「あぁ、そうだった」
加藤「えーなにそれ!誰にも言わないよ!」
小林「加藤は言ってるつもりないんだろうけどね…」
千野「んー、まぁ私は特に好きな人いないから、恋バナはしたくてもできないけどね」
高橋「だね。私も特にだなぁ」
加藤「なーんだ、残念!」
小林「せっかく女子高生なのに、恋愛話しナシってもったいない気もするけど」
高橋「それを小林が言う?食べ物のことしか考えてないのに」
小林「一般論よ、一般論!」
千野「そうだよねぇ、もったいない気はするけど…でも、無理にするものでもないし」
加藤「私は別に、今のままで楽しいから何も思わないかな!」
高橋「まーねー」
千野「うん、別にしばらくこのままでいっかな」
小林「あ!」
高橋「うわびっくりした」
千野「どうしたの?」
小林「高橋のそれ、当たりじゃん!」
高橋「え?あ、ほんとだ」
小林「換えに行こう!」
高橋「え、でもアイス2本はさすがに…」
千野「お腹冷えちゃうよね」
加藤「え、じゃあ換えないの?」
小林「ならあたしが食べるから!換えに行こう!」
高橋「それ小林が食べたいだけだったんじゃ…」
千野「まぁいいんじゃない?ほら加藤ちゃん、またあの店員さんに会えるよ!」
加藤「いや、別にそこまでタイプじゃないよ?!」
小林「よしではコンビニにUターン!」
高橋「ちょ、一人で行っても意味ないでしょうがー、もう!」

ボイスドラマ用に一年くらい前に作ったものを、結局使わなかったのでリサイクル。
2014/8/5

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